サウジ・UAEからの断交後、カタールの今

断交は青天の霹靂

5日の朝、信号待ちの間(カタールの信号は長い)にフェイスブックを見ていたら、サウジアラビア、UAE、バーレーンとエジプトがカタールとの国交を絶つと宣言したうえ、サウジアラビアが国境を封鎖したという、ただならぬニュースが流れているではありませんか。
ビックリなんてもんではありません。バーレーンはともかく、カタールはサウジアラビアやUAEから多くの食料や生活必需品を輸入しているので、本当なら影響が大きすぎる!と最近はやりのフェイクニュースだったらいいなと思いつつ、事実関係をローカル(カタール人)に聞くも、どうやら断交は事実のよう。主な原因は、最近ハッキングされた国営通信のサイトで流されているタミム首長の発言だとする内容をサウジ側が信じてしまっているから、らしい。国営通信のサイトがハッキングされたことは知っていたけど、それがこんな大事になるとは思いもよらず。

適当な写真がないので、とりあえずドーハのイスラム美術館

断交後のカタール国内の状況

CNNやBBCも報道してるし、日本でも台湾でもニュースになってる!
というわけで、主人も私も、台湾や日本や家族や友人にご心配をおかけしてます。UAEにいる方にもご心配おかけしているようで。ですが、今のところ、特にカタール国内の生活に変化はありません。

スーパーの行列は初日で収束

スーパーに行列ができたと内外で報道されているようですが、確かに5日は主人におむつ(おむつを頑なに外そうとしない3歳の息子のため)を買いに行かせたカルフールではレジが30分待ちだったそうですが、今朝、私が行ったルル・ハイパーマーケットでは、普段の朝より若干混んでいるものの、パニックとかには程遠い感じで、ごく普段どおりでした。レジも待たなかったし。

心配された牛乳・乳製品の不足もトルコからの支援で解決

今のところ、サウジアラビアのメーカーの牛乳と乳製品の在庫が無くなりましたが、国産品があるのとトルコから緊急で輸入されたとの報道がありましたので、とりあえず大丈夫そうです。

問題は、パンパースのパンツタイプのサイズ5と6がルルとカルフールで品切れ中なこと…。赤ちゃん用はまだ十分にあります。以前におむつの倉庫が燃えた時も、パンパースのパンツタイプのサイズ5の品切れが長いこと続いたものです。アラブの乳幼児の体格が大きいことと、おむつはずれが遅い(人のこと言えないけど)ために、パンツタイプのサイズ5と6の需要が多いのかと思われます。
当面、テープタイプで急場をしのぎ、息子がおむつを卒業してくれることを願います。

嘘ニュース?

ウォールストリートジャーナル日本語版で、下記のような記述があるのを見つけました。

小さな半島国であるカタールの首都ドーハでは、住民がパニックに陥り、スーパーで商品を買い占め銀行から預金を引き出すなどしている。

スーパーが混んでても、さすがに買い占めっていうレベルで買い物してる人は見なかったし、預金を引き出す人も見なかったけど…? この記事を書いた人は、何を根拠として書いたんでしょうか。

こういうことがあると、西側諸国の報道も信憑性に欠けるし、不安をあおることが目的なんじゃなかろうかと思ってしまいます。

カタールは言論の自由が無いと西側諸国には言われてますが、根拠に乏しい記事を書くのは言論の自由なんだろうか…とも。

カタールの動きと今後の予想

5日の夜に、タミム首長がクウェート首長、トルコ大統領との電話会談を行ったことと、カタール訪問中のオマーンの外務担当大臣との会談を行ったことが報じられています。

特にクウェート首長は前回の外交官引き上げの際にも、サウジアラビアとの間で仲介役を果たしており、今回も仲介役を買って出てくれているものと思われます。

また、カタールの外務大臣は対話を通じて解決を図ると表明しています。

個人的な予想ですが、早くてUAE滞在中のカタール人の退去期限である14日間以内に解決、長くてラマダン明けのイード・ホリデー(今月25日頃から)ぐらい、最悪はハッジ(イスラム教の大巡礼)が始まるまで(今年は8月下旬~9月上旬)には正常化するのではないかと思っています。根拠は以下に記します。

1.カタールにはサウジやUAE資本の会社が多数進出している

カタールには、建設業のサウジ・ビンラディン・グループやアル・ジャバ・グループ、小売業のアル・フテイン・グループなどサウジアラビアやUAE資本の会社が多数進出していますが、断交が長引けば、これらの企業がカタールで営業を続けるのは難しくなると思われます。それは、サウジアラビアやUAEが望むところではないはずです。

2.カタール人のハッジに関しての措置が発表されていない

カタール人のサウジアラビアへの入国が禁止されているということは、カタール人はメッカへの巡礼にも行けないということになるのですが、通常の時期の小巡礼(ウムラ)はともかく、大巡礼(ハッジ)に行けないとなると、世界中のイスラム教徒から批難されることは間違いありません。

ですので、断交をハッジの時期まで続けるなら、ハッジ・ビザを受けたカタール人は入国できるなどの特別措置を取る必要に迫られるはずですが、そのような発表は今のところありません。

また、世界中から大勢のイスラム教徒が巡礼に訪れるこの時期に、カタール航空の乗り入れが禁止されたままだと、多数の巡礼者に影響が出てしまいそうです。

3.多数の人々が家族に会えなくなる

GCC国籍者間での国際結婚は一般的で、カタールのナショナル・ヒューマン・ライツ・コミッティーによれば、合計1,337人のカタール人女性がサウジアラビア、UAE、バーレーン国籍の男性と結婚しており、また合計5,137人のカタール人男性がサウジアラビア、UAE、バーレーン国籍の女性と結婚しています。
この3カ国に滞在しているカタール人は出国を命じられており、それは多数の家族を引き裂くことになります。
ベルリンの壁を彷彿とさせるような悲劇です。

アラブ社会は家族の繋がりを非常に大事にしているのですが、特に家族で集まる機会の多いラマダン中にこのような措置に踏み切ったというのは信じられません…。

5.カタールは報復措置を取っていない

カタール人に対しては、3カ国から入国禁止と居住者は退去命令が出ていますが、カタール側は3カ国の国民に対して退去命令も入国禁止もしていません。(3カ国側からは自国民に対してカタールへの渡航禁止およびカタール居住者は帰国命令が出ています。)また、カタールはUAEにLNGを輸出していますが、カタールは禁輸はしないとしています。

カタールが3カ国と同様もしくはそれ以上の措置を取れば、ますます溝が深まるばかりでしょうから、あくまで平和的解決を望むというカタールの姿勢は、早期解決につながるものと思います。

その後の動き

クウェートの首長がサウジアラビアとUAE(アブダビとドバイ)、カタールを2日間で回り、
サウジアラビア国王、アブダビの皇太子、ドバイ首長と会談し、
最後にカタールでタミム首長と会談し、クウェートへ戻られたそう。
(バーレーンは訪問しないあたり、やっぱりサウジアラビアの属国なんだと改めて感じます。)

さらにその後…

6月8日、カタールの外務大臣は「我々の外交政策の独立性を放棄する準備はまだ出来ていないし、その準備が出来ることは今後もない」また、食料の供給も問題なく、断交が続いても永久に耐えられると、アル・ジャジーラとのインタビューで語ったと報じられました。また、UAEが、SNSなどでカタールに同情を示した投稿をすることを禁止し、3~15年の禁固刑と50万ディルハム(約1500万円)以上の罰金が科されるという法律を制定するという動きもでています。(バーレーンも後に続きました)…というわけで、何だか長引きそうな感じになってきました。

今後も、引き続きドーハから経過をお伝えしていきます。

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